酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

金亀 池島君スペシャルのお酒誕生

岡村本家の池島さんから・・・・ 園田杜氏さんとの何気ない会話から、園田杜氏監修の元 池島さんのアイディアでお酒を仕込ませてもらわはることにならはりまして、熱い熱い想いにも感動しつつ、そのお酒が小川酒店に並ぶことに相成りました。

ちょっこし マニアックなのですが また長文なので端折ったつもりが 削れないところもいっぱいあって やっぱりマニアックで長文になってすんませんが是非紹介したくて 引用させていただきます。

なめらかな、エレガンスをまとった舌触り(美しさ)と、食中酒のかなめである酸の両立。いつもより多めの「苦み」の軽減。

蔵の集落の米を発酵する、そこに敬意を表したい。

あえてこちらから油絵の具で色塗りするような酵母は使わずに、できるだけニュートラルな酵母を使い、自然な発酵から浮かび上がる美しさを酒に映したい。

フナずしの酸味は、美しいと思う。
という感性からも、このお酒の設計は、影響されています。

さて、エレガンスをまとった舌触り、ですが、これはもう麹の仕事・・・きれいで品格のある旨みの抽出方法だと考えています。

そういう麹とは、やはり突きハゼ型の麹。突きハゼの、あのため息が出るような見た目の美しさは、上品な旨みと直結しているのです。

今回のお酒には突きハゼ型の麹を採用しています。純米大吟醸並みの麹菌の量しか振っていません。温度経過も、私の麹屋人生で最大の神経を使いました。が、たっぷりとした酸もあります。普通、突きハゼ型の麹を使用した場合、どうしても総ハゼよりは、液化力糖化力ともに少し弱くなります。つまり、発酵と糖化のバランスを整えるには、もろみの品温経過は低めにしなければならない。しかし、それでは酸はあまり出ないのです。

突きハゼ型の美しい上品な麹を使い、しかも発酵温度を上げて酸を出す、この両立を、成し遂げたのが「仕込み配合を変える」でした。麹歩合を多目にしております。液化糖化力をそれで確保しています。そして、これは柔らかい吟吹雪という酒米だからこそできるのかもしれないです。

課題はあります。でも、まず、ここまで自由にお酒を下っ端の蔵人が造れることは、全国見渡しても、ないと思います。この一生に一度かもしれない機会を得たのは、まさに園田杜氏のおかげです。全てをポジティブに捉え、失敗をしても「何かの発見につながるかも」という捉え方をされる素晴らしい人。本当に、足を向けて寝れません。

と池島さんからのメッセージ。美味しいです。開けたてより しばらく置くともっとまろやかで美味しくなります。料理が欲しくなります。特に魚介類との相性が良いそうです。ラベルもカッコええ。おススメです。