酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

気づき

お母ちゃんの遺品から出てきた、弘美さんの想いのこもった文。

ちょっとうるうる来たので。

9年前に難病になったときの文です。

 

一度は無くした命、人のために尽くしたい。よどみのない人生を生きたい。

本当にその人が喜ぶことって何だろう。その人が幸せになるために何ができるだろう。

私のような病人でも、働け、自分で料理ができ、掃除や洗濯ができ、ラジオ体操ができ、ご飯とお酒が美味しく、お花や雪や人の笑顔が見え、鳥の声や音楽や人の優しい声が聴こえ、何より毎日楽しい。

こんな幸福なことは無い。足るを知ると思えばありがたいことばかり。

病気は私に一対一で丁寧に、小さなことをしなさいと教えてくれた。

人が苦しむのを見るのは、自分が苦しむよりもずっとつらい。自分が苦しい時は、それを人に見せない。嬉しい時はそれをいっぱい広めたい。けれど辛い人と向き合う時は、私も辛いときもあると伝えることで、一緒にゆっくり歩こうと言える。

 

何より私が最も弱い立場に立ったことは、すべてのものに対する見方を大きく変えてくれた。病気の人や障がいのある人と本当の友達になれた。私はかけがえの無い存在なのだろうか。何のために生きているのか等どうでもよくなった。

 

毎日丁寧に、ただ心を込めて暮らしたい。

母が人生何一つ無駄はないと、口にしていたのが、まさに9年前でした。

そしてこの時間が弘美さんのワインの世界を広げたのでした。

弘美さん すばらしい。

粂ちゃん、ふみはん、沼尾さん、おっと…小川酒店は最強や。