酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

生協の白石さん

大変遅ればせながら※生協の白石さんの本を「読んでみなはれ!」とお借りしたので読みました。

東京農工大学には生協に対する意見を募る「一言カード」というものがあり、そこには普段、学生達が生協で感じたこと、思ったこと、陳情などが寄せられています。しかし、中には生協とは全く無関係の投稿もありまして、普通だったら、悪ふざけのものは相手にしないのでしょうが、そんなカードに対しても真面目にそしてキッチュにとんだ回答をしてくれはるのが生協職員『生協の白石さん』なのです。

おもしろいわあ。例えば豆に関しての質問に、この忙しいのに!舐めるのはチュッパチャップスだけにしてくださいよ~と、あろうことか憤りさえ感じてしまったのに、最後は自分こそが・・・かと気づかれ、懐の浅さに自省し、雨のち曇りならぬ怒りのち癒しの心境となった場面とか・・・。「愛は売っていないのですか?」の質問に「どうやら愛は非売品のようです。もしどこかで販売していたら、それは何かの罠と思われます。くれぐれもご注意ください。」とか。「単位が欲しいです」「そうですか。単位欲しいですか。私は単車が欲しいです。お互いに頑張りましょう」

生協の商品に関してはもちろんプロの精神をおもちでしょうけれど、それ以上にあんな変化球に富んだ回答を考えられる白石さんって、ほんまに見事でもそういう筆のセンスの前に、いろんな既成観念を綺麗に払拭して、どんな意見も真摯に受け止めてそして心込めて返す、そういう素敵なキャッチボールのできる人なんやろな。

私も小川酒店で、実際にご来店されたりしたかたを初め、電話やメールでキャッチボールをさせてもらっています。少しでも白石さんのように、おもろくて端的で(私はどれもいまいちですが、これが一番大事かも)的を突きつつ遊びの部分もちゃんとあって・・・そんな酒屋のおばはんになりたいと思ったのであります。

最後のしめくくりにあった嫁さんへの説明文。「その生き様がエンターテイメント。生きた教材です。貴方が妻で幸せです・・」っやてここまで言い切ってしまうと、おのろけを通り越して潔ええ!そんな奥さんにも一度会ってみたいな。本やのになんか実際にあっているような臨場感をもってこの本を読ませていただきました。