酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

お酒のこといろいろ

先週初呑みきり・地酒バーに行って以来、ずっと頭の隅っこでお酒のことを考えていた。そしたら、呑みきりでご一緒したYさんからほうっとうなずくようなメールが届き、はたまたU(蔵元さん)さんがおいでになり、地酒を大事に思ってくださるお客さんTさんがはるばる近江八幡よりおいでになるというトリプルなことが起こり私の頭はいっぺんにお酒のことで一杯になった。
100人に一人くらいの鋭い舌をお持ちの方とその他の方ではお酒への評価がかなり違っているという事。で、私はお酒屋さんなので、そういう優れた感覚をお持ちの方に勉強させていただきたい思いはあるけれど、大多数の、わからないけれど滋賀のお酒のファン・または興味をもたれている・・・お酒を楽しみたい方・・・の感覚も非常に大事。そういう場合こちらがお奨めするお酒もだぶる部分はあってもやはり違ってくる。どちらもわたしにとっては大事。
もうひとつはダレという事。ダレが来ていても、熟成によってもう一度持ち直すお酒もあるんやて・・まあそれは置いといて、お酒のピーク・旬を知っておく事は大事やけどピークまっさかりなのか越えてしまっているのかその辺りもとても難しい。お酒によってはそのピークが長いお酒もあれば、短いお酒もある。またお酒の味質が変化しないお酒もある。今うちにはピークを越えたかどうかのその微妙なお酒がいくつかあってドキドキしている。

TさんはうちのHPをご覧になって来てくださった。ゆっくり話をさせていただいて「疑問に思っていたりした空白の部分が少しずつ埋まっていくような快い時間でした・・」といったような事をおっしゃって、笑顔でお帰りになった。言葉を選びながらもお酒をとても大事に思ってくださっているのがよく伝わった。ほんまにこんなお客さんこそが、滋賀のおいしいお酒文化を育てる大事な大事な鍵なんやなあと改めて思った。色々難しい事も多々あるけれどとにかく眉間にシワを寄せず、目じりにシワを寄せながら美味しい時間と共にお酒を育てて行きたいな。