酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

北島酒造

北島酒造の専務さんがご来店になりました。

昨年より、杜氏さんも流派も変わり・・・自らお蔵に入って懸命に酒造りをされていることは営業の福田さんからよう聞いていました。「蔵から出てきはりませんわ。話すことは酒のことばっかりです。」そして、ようやっと一段落されて久しぶりにおいでになったのでした。

滋賀の中ではかなり大きな蔵ですが、このところ小仕込みに変わってきていて、製造量に反比例してタンクの本数はどんどん増えているそうです。

まだまだ発展途上ですわとおっしゃいながら、お酒造りを熱く語ってくれはりました。つきいっぱいも今までは80%精米でしたが今年は60%。渡船も1年目は75%、2年目は70%そして今年3年目は60%。いろいろ試行錯誤されている様子。渡船は上原さんと同様、糞蓋ともうしまして面の悪いもろみになるのにも関らず、ちゃんと発酵してくれるのがこの渡船の特徴なんやそうです。確か昨年ちょうど渡船が佳境に入ったころだったと思います。電話の向こうでどないしょう・・・と焦ってはる様子が伝わってきたのが懐かしいです。で、サンプル・・・おいしい!味のってます!ええ渋みもあるので、これからも楽しみ・・・・でもこれも火入れしはるそうなんです。もったいないかも・・・・

またどちらかというと、綺麗なタイプの・・・つまり酸やアミノ酸の少ない北島さんのお酒なので、生のまま夏を越すということをきっぱり止めて、ええ時期にきちんと火入れをすることにされました。これも新しい試みです。

数年前お会いした時を思うと、専務さん変わらはりましたなあ。私は酒造りの話を聞いているのが楽しくてしょうがないので、嬉々として酒造りに向かってはる久しぶりのご来店、嬉しかったです。

で今回北嶋純米吟醸のお酒がラベルも中身もリニューアルされまして、そのサンプルを利かせていただくのが目的でした。その案内文には、北島のこだわり・・・ということで以下のことが書かれていました。

1.気泡による洗米機を導入し、米を傷めない洗米が可能。
2.米の脱水機を導入し、正確な限定吸水による原料処理を実現。
3.乾燥蒸気による外硬内軟の蒸米を使用。
4.小箱による丁寧な麹造り。
5.打瀬とダキをきっちりと効かせることにより、
長期の低温に耐えてモロミ後半でも鈍らない強い酵母を育てるモト造り。
6.750kg又は1000kgの小仕込。
7.低温長期による米を溶かさない酒造り。

きっと一所懸命に考えて作られた文なんやろな。今まではこのお酒は近江米のしずくと兄弟関係にあったのですが、この度兄弟の縁をきっぱり切って、独自の道を歩むことになりました。軽い口当たりと含み香・吟味の超辛口の食中酒です。いろんなお料理にあわせられる、そして飲み手を選ばないようできたお酒です。

ますますの専務さんご自身と北島のお酒のご発展、心よりお祈りもうしあげまする。