酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

お燗番から広がって

お酒の会の反省点としてあげられたのが、会話。

こういう会では、お連れ様とゆ~っくりお話したい方もいらっしゃれば、せっかく5人ものお蔵元さんがお見えなのでめ一杯話をしたいと思われる方もいらっしゃいまして、その辺が難しいところ。結局 空気を読みつつやっていかなあかんかな・・。

お燗番についても、今回は20人という大人数のお酒をいっせいにお出しするということで黒子に徹しましたが、本来は同じ空気に触れながら、お客さんの顔をみて・・・お客さんの体調や好みそして酔い具合・・・もさりげなく感じながら、好みの酒を絶妙なタイミングで出すのが本当の職人なんやろな。

今回は試食会試飲会をしながら、かなり準備からきっちりとして・・・・それはそれですばらしいことやったと思いますが、やっぱりこれもお客さんの空気によっては、薀蓄を垂れ過ぎて楽しめないものにもなってしまうということには決してならないようにせんと。今回の縁の下の力持ち吉田さんがよくおっしゃるように、眉間ではなく目じりに皺を寄せながら楽しむ ということが一番大事やと思います。

お燗から話は広がりますが、以前読んだ祇園の教訓の本を思い出しました。あほぶりのかしこ、かしこぶりのあほ。難しいことを実にやさしくしかも楽しく話す、徳利の傾きも見逃さない気転と気配り・・・・

基本は聞き上手・・・でも落語やないですが時にはお客さんを笑わし、楽しませてくれはる・・・・そんなことを思うと尼 ミモザのままや大阪駅前 真央のままや 浜大津 華や聖のままさんのお顔が浮かんできました。それぞれのお店がこの不景気な時代も永らく生き続けられている秘訣が、ままの心の燗温度に隠されているのかもしれません