酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

岡村本家さんへ

神奈川中央林間 燦坐さんが滋賀へおいでになりまして、熱い熱いご希望により、岡村本家さんにお連れいたしました。

お忙しい専務さんですが、その日は蔵におられましていろいろ話を伺いました。

「最近岡村本家のお酒が美味しくなったと評判です、どのように造りを変えられたんですか?」とたずねると「いえ、変えていません。昔に戻しただけなんです。」やて。

急にお酒の消費量が減りだし、あちらこちらの酒蔵が廃業・・・そして端麗辛口ブームの到来・・・・といった時代背景の中で、岡村さんでもやはりその方向に流れつつあった頃、「原点にもどろう!」と甘口旨口のお酒を一所懸命取り組んだ結果、生まれたのが金亀の白やったんだそうです。

岡村さん曰く・・どの蔵も厳しくなってきた頃、吉田酒造の専務が「これからは既成概念にとらわれず君らがやりたいと思ったお酒を造りや。そして今はそんな自由な時代なんや」と。この言葉は今も、迷ったとき苦しいとき自分を支え励ましてくれるそうです。吉田さんすごいなあ・・・・・豊郷町吉田というこの地名も何かのご縁かもしれませんなあ。

あと新潟らしからぬ旨口のお酒で有名な村佑の蔵元さんと農大時代からのお仲間で今も何かと連絡を取り合っている話もふうんん・・・・・ええお友達が、岡村さんのお酒をより美味しくさせているのかも知れません。

お酒と同じく、維持保存が難しいためどんどん壊れていく家並みを残すための活動『とよさと快蔵プロジェクト』にも積極的に取り組んでおられ、そのひとつがタルタルーガという県立大学生が運営している蔵を改造したバー。今回こられなかった骨董好きのふくちゃんがないてよろこばはるわあ・・・と燦坐さんも感嘆の声を上げてはりました。

送っていただいた道中には曙缶詰さんや伊藤忠さん大丸さんなど、ものすごい近江商人の家が軒を連らね圧巻でした。皆外へ出て行ったかつての近江商人。でも岡村さんは淀屋橋にお店も出したりして外をしっかりとみながらも、生まれ育ったこの吉田で町をお酒を一所懸命育ててはるんやなあ。私も微力ながらやっぱり生まれ育った浜大津が大好きなので、共感することが仰山ありました。

鴨ちゃんが画像つきで詳しい金亀大星のことを書いてはります。町並みも美しいです。遊亀亭もすんばらしい。さすがや