酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

布切れ・・アプリケの芸術

長いだけがとりえの草木染。年に1回作品展がある。今年は4月。それに向けてじっくりゆっくりがんばらな。そして出会ったのがKさん(モラ手芸のプロ!またキリムもプロ!)から借りた本・宮脇綾子さんの布切れの芸術。前にこの人の作品は、ほんまもんを神戸に見に行ったことがある。そのとき作品を前に根が生えそうになったのを今も鮮烈に覚えている。その時からずーっとあこがれていた。特に惹かれるのは台所にころがっている野菜の中に美しさを発見しはること。そしてそれを工夫していきながら、たとえば曲線を直線に、白を藍色に縦縞に・・とほんものとは別の秩序を持った美しさを生み出さはること。これこそ新しい芸術や。素材や質感も大事にし、ときにはコーヒーのフィルターやもつれた糸・ぼろ布さえもが素晴らしい素材に変身する。辺りを見回してみると本当に無尽蔵に転がっている自然の美しさ。それを私も私なりに表現できたらよいなあと思った。綾子さんは戦後のやりきれない疲れ果てた気持ちの時にこのアプリケに出会われ、ぼろ布から生まれた自分の作品が心の支えになり生きる喜びになったんだそう。私も一朝一夕にはできないだろうけど、焦らず時間をかけて布に色に向かい合って生きたいな。

私の15年位前の藍のろうけつ染めの作品・・今もこれは結構好き
電話のカバーにしているので、見えないけど下のグリーンには
telephoneと刺繍がしてある。