酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

のむおっちゃんさようなら

実はなあのむおっちゃんが亡くなったんや。父の弟さんで暖簾わけをしてお酒屋さんをしていたのむおっちゃん。

いつも明るうて、山登りとお酒としてお酒屋やさんが大好きで・・・・酒屋業界がめまぐるしく変わったので本家である小川酒店の鈍な娘が、いったい何をするやらと心配したりあきれてはったこともあった。でもいつも笑ったはって、でまわりの人の心までを明るくして、そしていつも人のこと考えてはった。そして奥さんをそしてわが子をこよなく愛してはった・・・・

山登りに一回連れったろう・自生した山葵を見せたろう・・・というてはったのにもう山には登れず天国に召されはった。6年におよぶ闘病生活。そんな中でも奥さんとちょっとした場所にチシャやとんがらしややミニトマトを植えてはおすそ分けしてくれはった。二人の愛の賜物のお野菜はそれはみずみずしく惚れ惚れするくらい美しいお野菜やったで。夏には夫が手塩にかけて育てた西瓜を、何も受けつけへん体やのに、これだけは美味しそうに食べてくれはった。

お葬式のあいだの2時間だけ、こんなことはまずないんやけど店を閉めた。焼き場までほんまは行きたかった。そして最後の最後にお別れを言いたかった。でも私にはお店があるので、後ろ髪を引かれつつ店に戻る・・案の定その2時間にも大事なお客さんは来てくれてはった。そのあとも、やっぱり馴染みのうれしいお客さんが次々のご来店。でもな、のむおっちゃんもお酒屋さんを愛してはった。きっと天国で見ててくれはるやろうな。なんか今日は泣いてばっかりで目がぼんぼんのむおっちゃんのあたかい気持ちを心に刻みながら今日は冥福を祈りましょ・・・て、こうやって書いてたらまたや・・でお客さんや。えらいこっちゃ