酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

萩乃露の山廃

以下は2006年9月に頂いた、福井さんからのメールの抜粋です。

今回初めて山廃を蔵出しするに当たり本当に色々と考えました。といいますのは、今振り返れば今回蔵出しの山廃3品は僕自身の5年間の酒に対する気持ちの揺れが振り返られるものであると共に、仕込みの情景も思い出されるものです。2002、2003という山廃初年度、2年目のお酒をようやく今、皆さんに お披露目することになったのは、「萩乃露の土台・歴史を大事にしながら新しいものを築いていく」という気持ちを抱けるようになり、今までの心の迷いを素直にお見せしても良いのではと言う気持ちになれたからなんですね。そして実はこの年から仕込み計画も私がするようになったのです。

「萩乃露」って何?ということの答え探しを何時もしています。今回の山廃も色々な人に相談する中で別ブランドにしてはどうかという助言も頂きましたが、今の私の気持ちは「萩乃露から逃げない」、「萩乃露は何物かをもっともっと突き詰めて行くという」気持ちから萩乃露で蔵出しをしました。

こんな気持ちになったのは山廃から一年遅れて初めた「里山」に教えてもらったのではと私自身は非常に感謝しています。自分たちの造ったお酒に何かを教えられるというのは変な言い方かもしれませんが、造り手は一度思いが生まれると造ってみなくては分からないのかもしれませんね。

前のメールを読み返すと、福井さんのお人柄と一生懸なお姿に改めて感動します。今回送ってくださったサンプルにも手書きで、誠実さがびんびん伝わってくる一言を添えてくださっていました。こんなすばらしい蔵元さんのお酒やもん。大事に売らせていかなくては申し訳ないです。

さて、寒いであろう明日の朝市、萩乃露 新酒いちねんもんの
あらばしりと、そしてこの専務さんの熱い思いのこもった山廃の生いちねんもんを心を込めて売らせていただきます。

皆様あったこうしておいでくださいや。お待ちしております。