酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

熊森協会総会

 熊森協会の総会が野洲でありました。私はお店があるのでほとんど活動できておらず、ただ広報活動のみなのですが、今回もやはり広報をしたく思います。

一番のニュースは花背のトラストのことです。

雄琴グランドホテルの会長さんが熊森協会にいたく胸を打たれ、お持ちの花背の山を「次の世代のためにも豊かな自然が残る山を守ってほしい」と奥山保全トラストに山を売る決意をされたのでした。

このトラストにあたり、熊森の人たちは何度も山に行っていろいろなことを調べ、そして山の人々とも会話を重ねられた結果、このようなうれしいことになったのです。ここ花背の森は中間温帯の天然林で、トチなどの広葉樹の巨木以外にも自然杉やあすなろの見事な巨木も点在し動物の痕跡も多く、珍しくまとまった広さで残された豊かな森なのだそうです。

また、ヒノキ林を間伐し、そこにこつこつと団栗の苗を育て植樹をしたことで、数ヵ月後には殺伐としていた枯れ果てた山の表面に草木が芽吹き始め、豊かな自然が再び生まれようとしているその写真には心が満たされていくような感動を覚えました。

人工林の下では下草も生えず、他の植物の種子が到達しにく、天然更新がなかなか進みません。が、広葉樹の豊かな森では雨が降り、その水をたっぷり含んだ落ち葉がじわりじわりと山を潤し、それが長い時間をかけて自然の力でろ過され、ミネラルをたっぷり含んだ伏流水となって琵琶湖に注ぎ、豊かな水となり、それがまたおいしいお酒の誕生を支えるのや・・・・・・・と思うと、水のためにお酒のためにも山をちゃんと守り、復元していかなあかんのやなあと思いました。木のサイクルは気の遠くなるような永さではありますが、人間のエゴでまた、驚くような速さで共存共栄ができない状態にしたのです。これからは知性ある人間が、時間を欠けてでもじっくりゆっくり豊かな地球・森・海・湖を回復させるために、心を込めて動くべき時なのではないやろうか・・・・・と思いました。

久しぶりの熊森の人たちにもお会いできて、ちょっと感動の日曜日でした。