酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

香雪美術館

ありがたいことにこの頃、興味ある美術館のチケットをよう頂きます。
今日日曜日は香雪美術館へ。

ここは以前にもいったことがありますが、今回も異空間に浸ることができました。この地域独特の丸い御影石を積み上げた土塀に囲まれた閑静なところに美術館はあります。美術館だけが公開され旧邸宅は非公開ですが、重国登録有形文化財になっている旧邸宅は外から見ていてもその風格が感じられます。また元原生林だったこの一帯でしたが、庭園の殆どを原生林のままとし、人工の庭園は殆ど設けなかったという珍しい例で、今も洋館を始めとする各建物が、原生林の中に埋もれるようにして建っているのです。素敵や。桜も美しく人もまばら・・・・・・



ここは朝日新聞創設者の村山龍平翁(香雪翁きれいな名前・・)が大切に大切に伝えられた品が所蔵されていて、春と秋にだけ公開されます。岡倉天心らが中心になって発行された美術雑誌「国華」の苦境を救うため、朝日新聞社が同誌の発行元となったのが、村山さんが古美術に関心を持つきっかけになったそうですから、偉人の功績は偉大です。

そしてこの春のテーマは、「京焼きの華、永楽家 歴代の名品」

経済界で活躍され、茶の道にも通じた偉人の蒐集品を展示する私設美術館は
大きな美術館とは違い、先日の逸翁美術館同様、雰囲気も建物も空間もそして偉人の想いもゆるりゆるりと味わうことができます。滋賀の酒蔵みたい・・・

金襴手、交趾(こうち)松竹梅茶箱、交趾竹水指(みずさし)など・・・色鮮やかなそして華やかな意匠やのにぎらぎらせんと、ものすご上品。見ているだけでため息がでます。「ほんまに綺麗やな・・・・・」同じ場所に居座りなおすこと数回。わびさびも好きやけど、この美しさはまた素晴らしいものがありました。

迷うけど一番大好きやったのが、十五代正全 浅黄交趾寿字 水指。
思い出しただけでうっとりします。

器の師匠アトリエ北国の先生は究極は京焼き!・・・とおっしゃってましたが
なるほど究極の美といえるのかもしれへんなあ。

ほん近くの弓弦羽神社(ゆづるはじんじゃ)のしだれ桜も絶品。


なんとこの神社では花びら祭りと称して素朴なイベントが展開されていました。そのはっぴを着たおばちゃんの背中に「酒造り唄」やて。思わず聞きたくなりましたが恥ずかしゅうて・・・・勇気は出ませんでした