酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

ひやおろしについて

今あちらこちらでひやおろしの案内やサンプルが届いています。

で・・・疑問。何で今ひやおろしなんやろ?根掘り葉掘りの私は尋ねました。

喜多さんのところでは季節商品として冬の「あらばしり」 夏の「生囲い」 秋の「ひやおろし」とシリーズ化して販売してはります。種類の季節商品は、それぞれ原料米と、精米歩合は同じですが出荷する時期が違うので、少しづつタイプを変え、アルコール度数もそれぞれの酒質を最も活かす度数に毎年、変えてはるんですね。

で、深まる秋に一番飲んでいただきたいお酒としてひやおろしがあるわけなのです。

ひやおろしらしい、ひやおろしをいかに、出荷できるかがポイントだと思いました」・・・・なるほど。

福井さんのところでは「ひやおろし」に求めるお酒の骨格を表現しようときき酒に時間をたっぷりかけはりました。今年は猛暑のころから蔵できき酒を重ねてはったのを折に触れてきいておりましたが、「ひやおろしの表現を考える大切な時間をたくさん持つことができました。ほんま面白いですね。・・・・」とおっしゃるように、本当に真剣にひやおろしの商品を選んではるのですね。今回の2種類のひやおろしはまさに好対照で、それぞれ個性的。

北島さんもむっちゃ気合が入っています!熱燗と燗冷ましたてぐらいの温度がグー

皆高品質で、ようできているんですが、これやっというなんというか自分のなかでOKサインが出るお酒であるかそうでないかは意見が分かれました。

エスサーフさんも今年はとりわけひやおろしに力を入れてはりまして、県内の13蔵のひやおろしの案内やごっつう大きなポスターも。これはある意味嬉しいことやと思います。がこれがスーパーやコンビニに並ぶことを思うと、疑問もわいてきますが・・・・

そういう意味では昨日ご来店になった美富久の大型店には決して並ばない三連星の渡船の純米吟醸 特に火入れは、ぐっと私の心をつかみました。

でもこうやって疑問にすぐに答えて下さる蔵元さんもありがたいし。そして飲み手である消費者の方からもありがたい率直な意見など頂き・・・・・そんな声に耳を傾けながら、お蔵さんと消費者の架け橋やなんて大げさですが・・喜多さんは第2の酒造りとおっしゃいました・・・そんな風になれたらいいなあと思っています。

背景にある蔵元さんの想いや文化も大事にしながらも、一方そういうもの一切取り払ってのお酒そのもので勝負というシビアさも大事やし。酒屋は楽しいし面白いけどやっぱり難しい・・・・と戯言でした。