酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

海北友松

海北友松の展覧会が京都国立博物館で。

待ち時間10分。

でもでも ほんまに行って良かった。

余白の活かし方が素晴らしい。

10章に分かれて それぞれの作品がわかり易く展示されていました。これを 企画しはった人・・・大変やったやろなあ。けど ドラマテイックで 時代時代の友松の心の動きも感じられて 飽きさせまへん。特に60歳を超えてから亡くなるまでの作風の変化が面白い。

圧巻が最晩年での最高傑作とされる「月花渓流図屏風」。最後を締めくくるにふさわしい見事な渾身の作品で、言葉にならないくらいの感動。なんやろ・・・・・心がぶるぶる気持ちよく震えました。

早春の夜明け前、朧月の優しい光が渓流とその水辺を照らしている様子を描いたこの作品。渓流は限りなく軟らかく優美。詩情豊かな世界に誘われます。これは ネルソン アトキンズ美術館の所蔵になってから なんと60年ぶりの里帰り。

出発点は武家で 武家を彷彿させる勢いの激しさ、スケール感を2メートルもある 雲龍図には感じられましたんやけど 遂に刀は持たず筆をもって生きた友松は 齢を経るごとに 筆後はシンプルに柔らかく 人物の表情には洒落っ気が出てきて・・・沢山の文化人と交流を深めたことで 作風も変化していったのやろな。そんな友松の 愛されるお人柄に触れることも出来ました。

よい絵を仰山 間近で見ることができて 至福の時間でした。やっぱり ほんまもんはええなあ。