酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

矢尾酒造さんへ ぱあと2

さて 朝市始まって以来の矢尾酒造さんの巻。

ちょっと緊張しつつ 朝市の舌の肥えたお客さんに納得してもらえるお酒をえらばな。


まずが 利き酒会で人気を博した60%と70%のしぼりたて。

60%は香もバランスも素晴らしい。しかし 70%も香では負けていますが味わいの深さではこれまた違った魅力があります。鈴ちゃん曰く 麹のところでちょっこし失敗しましたんや。けどそれが功を奏して 旨い酒にしあがりました。今年のはまあまあです…というのは 実はかなりの自信作の証拠。鈴ちゃんはこっちのほうが好みやそう…

私らも迷いましたが どちらもは似すぎているのでどちらかにせな。
で 時間を置いてちょっと温度が上がった時 60%のほうに軍配があがりましたんや。こういう風に大きなタンクが並んでいましでびっくり!そして見せていただくと この左のほうにこれらのタンクが並んでいたのですが、60%のほうが70%よりも仕込がぐんと小さいのです。そこが 微妙にちがっていたのかも。

次は 9年もんの純米吟醸 生貯。これはある意味熟成香がでていますが 深み複雑さはちょっと捨てがたく朝市のお酒に決定!が 温度が上がってちょっと時間がたつと全体がなんかぼやけたみたいなかんじでした。なので 朝市ではきりりと冷やすか ええお燗をつけてきちんとした温度で試飲していただくことに。

淡海の美鈴山田錦純米大吟醸も 高いけど5年の月日をへて素敵な味わいでしたが 鈴ちゃんは 面白い方で「これおいしない」っちゅわはります。そやろか・・・・

 そして その後もじわりじわりと面白いもんが出てきまして、11BYの大吟醸が。これは 難しいんですが大吟醸やのに大吟造りではない普通の造り方で造らはったそうです。所謂金賞を目指さない香の立たない大吟醸。これ・・・・・喜ばれそう!!今までに味わったことのない 奥深い味わい。あれやこれや迷った末3本目はこれに決定!

あと9BYも しっかりした酸でよかったんですが本数も僅か故却下。
これちょっと 個人的に後を引く美味しさでした。

そのうち ちょっとおいで!と冷蔵庫にまで入らせていただくことに。美味しそうな生の熟成酒が仰山魔法のようにありまして興奮のあまり奇声まで・・・・最後は見るだけやったけど4BYも!!ここは生の熟成酒の宝庫でした。

ほんまに面白い鈴ちゃんで よう笑わせてもらいました。


冗談や謙遜の裏には かつて 技術の矢尾と言われた鈴正宗の蔵元としての 誇りと自信がちゃんと垣間見えました。シンプルで十分良いので、これからも手ごろで美味しいお酒をずっと造り続けてくださいな。
これは連続で賞を取らはった時に記念に造らはった冷蔵庫。扉にも 何とも力強く風格のある風情が。

ありがとうございました。今度はお弁当もちでゆ~~~~っくり伺いますといいながら 蔵をあとにしました。お付き合いいただいた皆々様もありがとうございました。きたいちゃんなんぞは あこがれの鈴ちゃんに会えたと たいそう喜んでくれはりました。よかったよかった。朝市には お蔵さん来てくれはります!!はずです