酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

無濾過生原酒

有る日のこと 尊敬している料理人さんから メールを頂きました。

懇意にしてはる 杜氏さんから 

「○○くんの料理に無濾過生原酒は合わへん。」と云われたそうなのです。

香り、味、インパクトのある無濾過生原酒(以降ムナゲ)やけど、料理に合うかというと疑問。

インパクト強の酒ばかり呑んでてもすぐしんどくなって長く楽しめへんし、何より優しい料理をかえって壊してしまうのでは?というものです。

私もムナゲ専門のお店のオーナーが料理屋をしたいからと呼ばれた時、お酒の味に戸惑い、悩んだことがあります。でもそこにいるとまさにムナゲ偏重主義。「それって火入れやん」みたいなムナゲ以外酒じゃないのか?と思わせるくらいの様子。まんまと私も洗脳されたわけです。

料理を作っていながら、対等の関係を自ら壊してるのではないか?とその杜氏さんの言葉で気づきました。全て火入れにするほど極端なことは考えてませんが、徐々に、バランス良くムナゲと火入れのラインナップにしていきたいです。
・・・・これは小川酒店でも 永遠の課題です。

ムナゲ・・・・(これ 笑います)は わかり易い。楽しい・・・

一方 加水火入のお酒は 飲み飽きひんし 色々料理に合うけど 裏を返せばフツーやねん。裏を返せばおもろないねんなあ。

そういう意味では不老泉や美冨久の山廃もんの加水火入はかなり フツーとは違うところにいるかも。

偉大なるスタンダードと 平凡は あほと天才のように 表裏一体であり その人の感じ方によっても やっぱり表裏一体。

さてさて これからはじまる 御歳暮&クリスマス&お正月。

お客さんに 喜んでいただけるお酒をお勧めしたいのやけど なかなか難しい。やっぱりハレの宴にはムナゲ?日常の愛飲酒には 浅見君をはじめとする 加水火入のお酒やろか・・・・・・・・

ちなみに 偉大なるスタンダードの代表格のひとつ 神開の大自然ももう 売り切れに近くなっていますが これをお客さんにお勧めしたら 美味しかったけどこれは大はいらんなあ。なるほど ほんまに自然でええかも。