酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

いのちの輝きという話

つきのき学園時代のご縁で柏木哲夫先生の講演を聴きに行く。この先生はホスピスに携わり2500人の死と向き合われた先生。おっしゃった。死ぬ前の1ヶ月の間にその人の生き様が凝縮されるんやて。そのときに大事なのはやっぱり感謝とユーモア。死ぬときには元気なときにあった地位や名誉や財産という衣は全部剥がれ落ち、結局はだいじないのち・・・魂というスピリチュアルなものだけが残る。もともとはがす衣も少なかった(失礼!)ある人は死を迎えるに当たって「先生私、天国でも地獄でもどっちでもよろしいわ。どっちにも仰山友達いたはりますねん。また先生も来て下さいや」といって安らかに笑顔で逝かれたそうな。その人の死は素晴らしかった。逆にものすごい大金持ちなのに魂の寂しかったある人は、「死ぬのは嫌や!何ぼでもお金積むさかいになんとか生かして欲しい!」とあがき、死ぬまで安らかにはなることなく、さびしい悲しい死であったらしい。まさに蛸焼きと一緒。先生は蛸焼きが大好物。たまに蛸の入っていない蛸焼きに出会う。でも蛸焼なんやから大事なんはやっぱり蛸・・魂なんや。なんていう落ちで終わった。

そんな重い仕事に関わってはる先生の趣味は川柳。いくつか面白いのを・・

粗大ごみ 朝に出しても 夜戻る
粗大ごみ 家事を躾ば 再利用
合わぬはず じいちゃんそれは 私の歯
部分痩せ 痩せたい部分は 大部分

ああおかし。

作業所の資金つくりのためにいろんな事がなされるけど、今ひとつの歌や話を企画して義理でお願い・・・と頼まれる事も多い中で、今日の講演はナイスやった。
障害者の置かれている環境は確かに厳しいけどやからこそ色々な意味でほんまもんを目指して欲しいと思った。