酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

鶯酒

親戚の家へ新年のごあいさつに。

このお家は前にも何回か登場している時間の進み方が違う素敵なおうち。おっちゃんは和菓子職人さん。いつものように玄関先にはおばちゃんの独特の感性で演出された新春の風景。
お座敷には雪見窓があって、そこから味わいのある庭が見えます。で、おっちゃんが「ほら鶯がきたで、今頃の鶯は地鳴きといってじじじ~っと鳴くんや。で、ほん地面の近くをちょんちょんと飛んでるんや。ほら・・・見てみ!!あの椿のとこや」と。あ・・ぴいらかんさのそばや。青木のとこや。紅葉の木の下や・・・お邪魔している間に、何回となく聴いたこの言葉。


今は鶯やけど、もうしばらくするとめじろがやってくる。しかも数匹でにぎやかにやってくる・・だから目白押しっていうんやて。

床の間には潔い見事な菊と千両万両。
そして初日の出の掛け軸。

出していた頂いた信楽焼きの汲み出しの深い味わい。そのあと玉の光の大吟醸は美しい清水焼きの手書きの染付けの高台の杯に 程よく燗されて、とっておきの鮒寿司と共に・・・ああ、幸せや。

なんかええ時間やった。昨今いろんなお正月のすごし方があるけど、こんな鶯の足跡を確かめながらの時間も格別や。はんなりとした文化が流れるおっちゃんの家。私は大好きや。

日本の文化・・・・ってええな。