酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

生ヒネしない??

不老泉が今月の朝市です。不老泉と言えば山廃。
きもと 山廃については いろいろな議論があります。

山廃きもとの造りでは 普通よりも長い時間をかけて生存競争が行われる分 生き残った酵母の生命力が強いので 最後まで味を出し切り 健全醗酵をするので 酸も綺麗な旨味の酸になります・・・・という所まではようわかるのやけど あっくんが面白いことを言わはりました。

乳酸が色々な菌を殺していって 最後はその乳酸もが自滅していくっちゅうのが常なんやけど、不老泉の場合 自滅するはずの乳酸が残っているそうなんです。

朝市で笑四季のマロラテイック醗酵を施したお酒を売らせて頂いたことがありまして そのときにも不老泉だけは自然とマロラテイック醗酵をしているということを言うてはりましたが それと同じことやそうです。

酸化と還元でいうたら 還元にあたるそうです。還元と言えば 懐かしい能登半島の先っちょにあります 珠洲焼が世にも珍しい還元で焼かれた器で 黒いのです!と これも余談ですが・・・

で そういうお酒は 生ヒネしないのやそうです。

あっ君の言わはることは おもしろいのやけど 断片的にはわかるのやけど もともと理系の頭のない私は ふんふんと聞いているだけでようわかへんのです。

で こんな中途半端なことをブログに載せるのはあかんのかもしれませんが、理系の頭のひとやったら 納得しはるのではないかと。

とにかくも 不老泉の山廃だけが ちょっと別もんの様子です。

そしてまたこれは績さんから聴いたのですが ここの速醸は今後 不老泉の蔵付酵母を協会で保管しておいたという蔵付酵母が速醸の酵母として使われることになるそうです。言わば 6号=新政酵母みたいな感じの 不老泉酵母ちゅうことやな。

ただ 杣の天狗だけは どうしても10号酵母との相性がよくて 違う酵母を使うことでころっと味わいが変わったらあかんので とりあえず酵母は変えへんそうです。

皆目に見えないものと また摩訶不思議な生き物と 必死で向き合ってはるのやと思うと熱くなります。

こういう努力で お酒が美味しくなり 酒質の強い そしてお燗あがりする 寝かしても美味しいお酒になるのやったら とても素晴らしいことやとおもいます。

大ちゃんも今年はきもとに挑戦やとか!しかも 数年ぶりの渡船やて。

流行に流されたり 浮ついたところのないのがええなあと思います。地に足を付けて 一歩一歩試行錯誤しならが階段を上って行ってはる姿を お客さんにお伝えしたいです。けど もうちょっとわかり易くならへんかな・・・難し・・・・けど めっちゃおもろい世界や。