酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

かくれ里

日曜日にいった小浜は「海のある奈良」と呼ばれるそう・・・。海がすぐそばにあるのに、奈良のように寺社が多くあり、とりわけ遠敷(おにゅう)川沿いには、多くの由緒ある寺社が集まっているからだそうです。なるほどなるほど・・・由緒ある社寺仏閣そして木が本当にたくさんありました。

また上根来(かみねごり)ということろには40年位前には、見事な棚田の風景が広がり、栄えた集落だったそうです。いまは人口の杉が植えられて悲しい状態になっていますが、棚田の名残はあり、中には仰木の馬蹄形の棚田のようなすばらしい棚田もありました。まるでマチュピチュのように、過ぎ去った夢のようななんともドラマテイックな光景でした。現在この界隈の集落はほとんど全滅し、倒壊した蔵や空き家になっている大きなお家があちらこちらに見られました。時代とともにどんどん変わっていくんや・・・・


白洲正子さんのかくれ里に、幼いころ生まれ故郷の近江で鷲にさらわれた東大寺 良弁さんの話がありますが、まさに椿の郡生地のある美しいお寺がその生まれた家だったらしいです。で、私が良弁さんの孫ですと・・・現れたおじいちゃん、良弁さんに瓜二つなので驚き桃の木山椒の木!東大寺のお水送りの話やら色々・・・・お話をしてくださいました。81歳にはぜんぜん見えません。またこのおじいちゃん自然にできた奈良まで通じている洞窟があって、ここから何かを流すと必ず10日後に奈良に届くんやて~
人魚の肉を食べたために十六歳の風ぼうのまま年老うことなく八百年生き続けたという伝説の八百比丘尼のお墓もありました。
伝わる民話は一体ほんまなのかどうか・・・・・さまようあたり・・まさにお能の世界さながら。笛の師匠の笑顔が浮かびます。



私は白洲正子さんを敬愛していますが、改めて湖北から湖西のあたりをこよなく愛してはったということに、感慨もひとしおの旅でした。近江はほんまにええとこなんやなあとしみじみ思います。日帰り旅やったのに、なんか1週間くらい時間と空間を越えて行ってたような感じです。心に響く景色や話が盛りだくさんでした。