酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

渡舟 立会い出産

江戸のあねごよりメールあり。

「浪の音さんの渡舟が搾られます。お産にお立ち会い下さいな。」とのこと。

昼から用事があるのでほんの1時間半ですが、お尻を振ってまいりました。

60%の雄町の首吊り=袋吊りを、光栄なことにお手伝いさせてもらいましてん!

タカシクン ヒトシクン ヤスシクン 3兄弟と従兄弟のイクロウクンの絶妙のコンビネーション。相変わらず仲のええこと!このお酒は1800mlで20本しか取れないというレア物です。


1月に搾られた50%の渡舟は、時を経てええ按配に味が膨らみ美味しゅうなっていましたし、本日しぼりたての姉御も関わらはった60%は、えらく美しい味。でも最後の渋みが今後の七変化を楽しみに予感させてくれます。これええで~



袋吊りからほとばしるお酒。最初のお酒は濁りが強いので元のタンクに戻されます。


この渡舟っちゅうお米はほんまに話題に事欠きません。

日本では府中誉だけやと思っていた渡船。静岡の臥龍梅でも滋賀産渡舟を原料にお酒が造られていたことも判明。一緒に頂いてまいりました。へ~そやったんやあと謎を紐解く心持です。府中誉とおなじたんかん渡舟なので、今回7蔵が取り組もうとしている渡舟とは味わいも違うようでした。

先日も藤井くんが萩の露の渡舟を自ら買い求め試飲したら、最初はこれだけしめたらなあ・・・勿体無いかも知れへんなあ・・という評価でしたんや。ところが、自宅で濃い目のお鍋とつついてこのお酒を飲むことになり、こらお酒が負けるやろなあと思っていたら、どっこいどっこい、じわじわと本領を発揮して味が膨らみ、渡り舟の存在をきちんとアピールしたと 感心しながら言うてはりました。

もと飯米でもあり、味のあるお米なんですなあ。ますます魅力のあるお米です。

また上原さん曰く、これだけよう溶けるので逆にしめるのではなく思いっきり溶かして味のあるうまくちのお酒に仕上げはると・・・これもまた山廃の上原さんならではの発想。

それぞれの味比べがめっちゃ楽しみです。

ということで初めての立会い出産は、お酒のすばらしさに再び出会う時間となりました。有難うございました。