酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

東洋陶磁美術館 浜田庄司展

大阪東洋陶磁美術館に浜田庄司展を観に行ってきました。

前にたつとそのまま 根っこが生えそうな器に仰山出会えました。時々展覧会に行くと素晴しいんやけど、強烈過ぎて疲れる場合がありますが、今日は全然疲れない・・心落ち着く空間やったので、ヨガをした後みたいに気持ちがよいです。

浜田さんの随筆も心に響きました。
いっちゃん答えたのが、何度も出てきた言葉。

一流の原料でそれを完全に生かしきれないでいるよりは、たとえ原料が二流であってもそれを一流にまで高める創作をこれからもしたい・・・・。「その土地通(な)りに生えたような素直な姿。」・・土着の美ということ。

お酒造りもそうです。土水米・・・・もちろん兵庫県のA地区で作られる山田錦でない滋賀県山田錦は 一流とはいえないかもしれませんが、それを技術と想いとセンスでどこまでええとこまで持っていけるか・・・・・飯米日本晴も然り。豊郷町 地元で作られた飯米日本晴が江戸酵母で絶妙の取り合わせで醸された金亀白・・・・・浪の音さんと吉田さんの仕込み水は水道水・・・にもかかわらずあんなすばらし愛山や花嵐が醸しだされるのはこれはすごいことです。

浜田さんが益子の地の土水木を使うことにこだわったことが
滋賀の今の酒造りに重なりました。

とにかく、どの器も私は安心して感動できましたし、特に惚れた器は一旦見終わってからも、もう一度逆行しつつんほんまにええなあ・・・とため息。うれしい再会もしました

李朝白磁のすばらしいのもありましたが、感動はひとつ ずしんと欲しかったので、あえて他のは観ずに、今日は浜田庄司の世界に浸らせてもらいました。

イギリスにも行かれ、また沖縄も大好きやった浜田庄司。ピッチャーには異国情緒を感じましたし、あの独特のモチーフは砂糖黍やったんや。しかも何度も何度も描くうちにどんどんデフォルメされ、まるで書のような趣さえ感じられます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・感動やな。今日はこの感動を抱いてええ夢見させてもらいます。