酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

小風さちさんの講演会

小風さちさんの講演はそれはそれは すばらしく うるっとくることもありました。

一緒に棚田を歩かせていただいたとき ほんまにほわ~~~っとしていて 少女のような優しい心を持った人やと いっぺんでファンになったんやけど、文・・・言葉にかんしては ものすご凛としたものをお持ち。

特に絵本作家と言いますと 絵も文も書かはる人の方が多いように思いますが さちさんは違うのです、文で勝負。

特に年少さん向けの絵本なんぞは 最小限のことばで最大限に伝える。

絵と文は共存し呼応する。助け合いながら 子供たちの心に深くはいっていくんやな。しっかりとしたリアリテイ。

絵本というのは 産まれて初めて出合う疑似体験。ゆるぎない橋(絵本)ををつくると 子供たちは安心してその橋を渡って絵本の世界にはいっていく。そして その橋の感触を足の裏で記憶する。そして 安心して現実の世界に再び橋を渡って帰ってくるんやて。

なので、いい足の裏を持っている子供は 絵本作家にとっては手強い。子供の心に届いたかどうかは 子供がちゃんと正直に答えをだしてくれる。そして そんなええ橋…心地よい文と絵ができると その絵本を繰り返し読む子供は、はいつのまにか その文をそらんじるようになるのです。わにわにくんシリーズがちびっこに大人気なのは こういうちゃんとした根っこがあったからこそなんや。

もうひとつ感動したのは 福音館の会長さんのむすめさんやのに 無茶謙虚。そして こうやって読み継がれる絵本を書けたのはのは 一番に子供。そして それを胸に抱くように読み聞かせをしてくださったお母さんや、読み聞かせに携わってくれはる大人たちの存在。この二つがあってこそ 絵本はなりたつのです。なのでいつも感謝をして 自己満足にならないよう 謙虚な気持ちで絵本をこれからも造っていきたいと言うてはりました。

お酒もおんなじやな。蔵元さんや酒屋さんがいくら自信をもっていても、お客さんが美味しいというてくれはるからこそ そのお酒は生き続けられるんやという意味では ほんまにおんなじ。 お客さんの気持ちを一番大切に 謙虚に汲み取らせていただきながら ええお酒を選ぶ努力をしていかなあかんのやな・・・・・。
素敵な素敵な講演でした。