酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

古曽部焼

お酒の会をさせてもろた際 来てくれはった方から「酒器を集めたりもろたりしてかなりの数があります。大病をして一人なので、いろいろ身辺整理をしています。どうかこのような会で使ってください」とのこと・・・

そして ほんまに持ってきてくれはったのです。

ほんまにすごい数!そして 素敵な器がいっぱいやん。

復興前の下田焼やら、古い砥部焼、そして古曽部焼もありました。
これは下田焼。

器は大好きですがこれまた奥が深く。

所謂ブラインドでお酒を利くようなもので、何焼かということだけでなく、見極めるのが難しい・・・・と その時 陶芸家を目指してはった海老蔵さんがご来店。

さすが海老蔵さん。この古曽部焼を それもその中の2つを これは大事にしたほうがええと思いますと。

この二つが海老蔵さんの眼にかなった盃。
なるほど ほんまに 技術だけではなく 深い味わいもあり モチーフも素敵や。

そんな海老蔵さんの意見も頂きながら 朝市の試飲用に使わせてもろたり、値打ちのありそうなものはお店に並べさせてもらいました。

そしたら 文化芸術にものすごくわしいTさんがご来店。この古曽部やきを一目見て  七里寿弥さんのですね~と。Tさんは 七里さんと大変懇意にされていたそうな。しかも 三越の画廊でも個展をされるほどのかたやったそうで、なんかさぶいぼが出そうになりました。

この七里さんは、懐かしい友人とぴこさんが一生懸命作陶してはった窯で、私も一度伺ったことがあります。七里さんのこともかすかに覚えています。あの場面と今のこのやって来た器が今 繋がるなんて不思議や。

白州正子さんや小林秀雄さんの本で、器は行くべきところに行くというようなことが書かれていたのを思い出しました。

こうやって 小川酒店にきた酒器。大事にさせていただきますね。

ほんで その中でもとりわけオーラを放っていた 輪島塗の酒器は、ながらの座座にお嫁に行きました。これは ほんまに行くべきところに行ったと思います。器もたいそう喜んでいるに違いありません。

毎日愛でて、撫でて、しかも酒器はお酒を入れることで艶が増してきます。きっと 色んな人の酒宴の中で色々な人間模様を聴いて ますます魅力を増していくのやと思うと どきどきわくわくしてきます。

貴重な酒器の数々 ありがとうございました。砥部焼九谷焼 むちゃちっちゃい 市松模様のもなんか愛しいな