酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

かないくん

今日はお父ちゃんの命日です。

早いもので一年。
毎日お父ちゃんの話題が出なかった日は多分なかったと思います。

朝市のときにイヌガオちゃんから はい おーちゃん お誕生日おめでとう!と手渡された イヌガオちゃんらしいクラフト紙の自然の空気漂う紙袋。いつもありがとね。

で 日曜日はほんまに色々バタバタやって 月曜日にゆっくりと店の用事をしながら 夕方までかかって朝市の片づけをして それが一段落して 楽しみにその紙袋を開けました。

そしたら かないくん という本でした。 

まるででお父ちゃんの命日に合わせたかのように。
こういうところが イヌガオちゃんなんやなあ。

読んだ後 なんか この白さと潔さが ココロにすうっと入って行って 不思議な空気に包まれました。

優しい言葉と絵。紙の質感や 空白も すてきや。いろいろなものが 奥深く そして 簡潔 静寂。

谷川俊太郎さんは一晩で書き上げ 絵の松本大洋さんは2年ごしで描きあげたそうで その時間のベクトルも 本に深みを造っているのかも。

死とは 始まりなのかも知れへんな。

何回か読んだ後 このごろ遠のいていた ほぼにちの色々を読んで この本の産まれて来るまでの道のりや想いを感じて。この本の奥には色々な人の 一生懸命の気持ちや プロのそれぞれの感性が込められていることを知りました。

以前今森さんのアトリエで 編集者 松田素子さんのお話しをきいて 本が産まれるというのはこんなに 深くすごいことなんやと 感動したことを思い出しました。

きっと お酒も同じやと思います。大事なのは 素材と人。そして それらを巡るものがたり。そして そのものがたりを造る過程・・・・

イヌガオちゃん有難う。

お酒が取り持つ御縁で出合えた たいせつな友人や。