酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

正倉院展

秋晴れの素晴らしいお天気の日曜日

80歳の母と正倉院展へ~珍道中の旅

1300年も前にこんな素晴らしい文化 芸術 技術があったことに 悠久の時を超えて・・・今深い感動・・・

私は草木染をしているので この「撥鏤(ばちる)飛鳥形」に興味をもちました。僅か3センチ!勢いよく風を切って飛んでいるかのような3羽の小鳥の細工物で 化学染料のなかった時代に 藍や紫根などの天然染料で染め上げさらにその象牙の表面を彫り、白い文様をほどこしてあるのです。

石 に乗って見返る尾長鳥を左右対称にデザインした「鳥木石夾纈屏風(とりきいし きょうけち のびょうぶ)」。これ どうやってするのやろ?草木染で板締めはしているけど こんな模様は??先生に聞いて見よ。

「漆胡瓶しっこへい」という水差しは。幅数ミリ、極薄に切ったブナの板を紙テープのように巻いて円を作り、中心をずらして外形を整え巻き上げで形成したものに黒漆を塗り、文様の形に切り抜いた銀板を漆の面に貼り付けて山岳や鳥、鹿、蝶、草花などをほどこしてあります。東西文化を感じさせる なんとも深い味わいや。

べん楠箱は クスノキのこぶや根っこの部分を使って作られた逸品。藺箱(いばこ) 柳箱 白葛箱(しろかずらのはこ)などの植物で編まれた箱も・・・・・ええな

ほんまに 1300年前に・・・・・信じられへん。

やっぱりええもんは時を経るほどに味わいが出てくるのやな。

私もこれからのいつまで続くかわからへん人生。数はいらんので ほんまにええもんと じっくりゆっくり 暮らしの中で付き合っていきたいものやと思いました。

68回目にして初めて行った正倉院展。行って良かった。珍道中やったけど