酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

黒文字の葉の香りにほの字

新緑の日曜日。湖北山門湿原へ熊森協会の人たちと山歩き。樹木医のSさんに木の話を聞きながら、風に吹かれて健脚コースを。黒文字はよく楊枝にする木やけど、とても上品なええ香り。白文字やたむしばもええけど、やっぱり私は黒文字のほうがええ。すっかり惚れてしもうた。歩きながら繰り返し色んな葉の香りをかいでいると・・ううん、この鈍い私でも嗅覚が覚えてきたのが快感。田崎さんも言ってはった。ワインを知る一つの道。色んな匂いを感じること・・・日本酒も同じ。

熊を守ることで森や山を守って行こうとしているこの会の会員でもあるSさん。目先の対応に追われるのではなくこれからどんな森にしていきたいのか、人間とどのように共生して行きたいのかを考えながら動くことが大切やと。本来の自然体系で行けば、湿原は森に帰る。そしてどんな荒地もちゃんと住むべきものが育って森が復元出来るはずなんだそう。でも温暖化や人間のエゴがそれではおっつけない現状を作ってしまった。
この湿原に身を置いて、語りかけてくるものをゆっくり感じる力と時間が今必要なんじゃないかと思った。難しいけど・・・でも大事なことや。

山の上では、Sさんが葉笛を吹いてくれはる。・・・ええ風の吹く中、なんと贅沢なコンサート。しあわせや!さらにHさんが横笛をどこやらから出してきはって御披露。もひとつしあわせや・・・・。