酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

里山

萩の露の専務さんがご来店。

萩の露里山というお酒の秋上がり原酒(純米吟醸)のサンプルを持ってきてくれはりました。

このお酒は地元畑地区(滋賀で唯一棚田百選に選ばれた)の人たちが棚田を含めた色んなだいじもんを守ろうと、そういう思いをもつ町の人々とも協力し合って(名付けて「お米造り隊」)心を込めてコシヒカリを育てた。そしてそれを使って醸したお酒が里山。新酒から半年、丁寧な熟成管理により稲がたわわに実るように味わい深く熟成した。

専務さん曰く里山もこれで三造り目。ようやっと納得のいく味質になってきましたわあ・・・と穏やかな笑顔。

サンプルを利くと確かに飯米ゆえやろうか・・・最初は平坦な味質。やけどだんだんと味が膨らんできて、しかもバランスよくまとまりが出てきてええ感じや。ぬる燗も(ちょっと熱め・・・)もええ。わたしも三造りの中では一番ええように感じる。しかもどちらかというとまじめな印象の萩の露さんのお酒の中では、かなりやんちゃ・・というかええ意味で個性が発揮されているのと違うやろうか・・・・


山・川・虫・自然の恵みに感謝しつつ、私もお酒と一緒に棚田を守ろうと一所懸命に活動されている思いを、お客さんにお伝えして行きたいな。


がしかし・・・お酒を選ぶのはほんに難しい。私の夢は酒屋のプロ。感情論だけではあかん。お酒そのものがどうなのかをシビアに見極めなあかん。1回の試飲では不安。また違う場面の時には違う感じ方をしたりもする・・・お客さんの反応を伺いながら自分なりのものさしをつくらなあかん。○○さんやったらどう思わはるやろ・・と美味しそうな顔の面々の独特の口調や表現を思い浮かべる私・・・まだまだ修行が足りひん