酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

囃子堂


ユネスコの第一回世界文化遺産に認定された能楽。その器楽を担当する囃子方は、いつもは主役である舞を引き立てる役をしていますが、今回は囃子方が主役になる空間として囃子堂という演奏会が開かれました。日本酒でつながった笛の師匠もおでになるので、謡をはじめたやっぱり日本酒つながりのNさんと出かけました。

興味深かったのは人間国宝曽和博朗のさんの小鼓。
皆の期待が集まる中、演じはったのは四海波(これは日本を取り囲む4つの海・・・さらに広がって・・・世界が皆静かな波のように平和でありますようにという意味なのだそうです。これだけでもきてよかった!と思いました)。
これは技巧や奇をてらったところのない、ごくごくシンプルな題目でした。そして華やかさや派手さはないけれど、しみじみと年輪を感じさせる味わいのある音でした。こういう普通の題目で、ささやかなでも根っこのしっかりはった音をだせる人こそがやっぱりほんまもんとちがうやろうか・・・と思いました。お酒では今年は竹生嶋、去年は七本槍普通酒で金賞受賞。この大切さを曽和さんの小鼓を聞いて沸々と思ったのでした。

謡を習っているNさんは、急いで準備をしないといけない時、ちゃっちゃと段取りよう動けるよう、囃子をバックミュージックにしてはるそうです。これはええ事聞きました私もやろっ。Nさんはイヌガオさんやないですが素敵な着物をお召しで,ほんまに素敵でした。

真夏に心地よい幽玄の時間。ありとうございました。

ちなみに笛の師匠は明日からあひるちゃんと琵琶湖一週の旅です!