酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

原点

先日Oさんが嬉しいメールをくれはりました。

自分の誕生日に滋賀の酒では一番素晴らしいと信じてやまない!「不老泉 山廃純米 生原酒」(二年熟成/たかね錦)を買わせていただきました。やっぱりこの酒は凄く良い酒です。いつ飲んでも作り手の心が伝わってきます。

人気筋の「山廃仕込 純米吟醸 中汲み」よりも格段に上原酒造の味を感じます。
目の前に「十四代」や「磯自慢」を置かれてもボクは迷わず「不老泉 山廃純米 生原酒」を選びます。

あの独特な土壁っぽい香りがあるし、山廃の生の熟成は・・・鼻で感じるフルーティーさもラムレーズンのような落ち着きがあって、はっきり言って大人の酒ですね。あの土壁っぽい香りが、今の吟醸酒しか知らない人には抵抗があるみたいですが、三年熟成ほど癖があるわけでもなく、むしろ酒そのものの旨味が素直に感じられると思っています。
味が太くても、日本酒度と酸度のバランスからかいつもキレが良いで すね。

後味の旨味の馬力では「義侠 純米原酒」かもしれませんが・・・キレの余韻の良さでは「不老泉 山廃純米 生原酒」に軍配をあげます。こういう山廃の旨酒は・・・人肌燗が柔らかい味わいでたまりませんね。そんなところです。また,同じ物を買いにいきます。

このところ、雄町や今は裏の冷蔵庫に隠してしまった(在庫切れ!)中汲みなどのお酒に気が行ってしまって影の薄かった生原酒でした。そういうと私も愛してやまない不老泉ですが、生原酒はある意味上原さんの原点です。新人3年目雄町も新人初年渡舟も上原さんの技量と想いと水と・・・で素晴しいお酒になっていますが、今いちど原点に立ち返って生原酒を見つめるよい機会になりました。

さまざまな消費者がおられる中で、Oさんのような飲み手はとてもありがたい・・・有難い存在です。

昨晩は渡舟の会が草津であったのですが、新しいお米だということで、ひとときのお祭り騒ぎになるのではなく、Oさんが生原酒を愛飲してくださるように、長い目で見ながら腰をすえてじっくり育てていくお酒にしていきたいと思いました。

きっとこれから・・・ですね。