酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

弔いのお酒

前々から行きたいと思っていた金沢酒店さん主催のお酒の会・・今回は金賞受賞蔵特集に行ってまいりました。

すると懐かしいお顔が・・・・・でもお一人や。というのは、NさんとSさんはいつもペアで、いろいろなお酒の会でお会いしていた方やったのです。試飲会でも「○○の○○めっちゃ旨いし飲んどいで!」と小川酒店の姉ちゃん(Sさんがお姉ちゃんちゃうやんとちゃちゃを入れはりながら)と可愛がってもろてました。

頻繁にお会いしていたわけではないのですが、ほんまにお酒を愛してくれはって、お仕事柄全国に出張行かれるたびに近江の地酒も広めてくださり、なんちゅうても味のある忘れられない名コンビでした。

そのIさんが亡くなられたなんて信じられません。
Sさんと萩乃露 至福の大吟醸等を飲み食わしながら涙涙。

私はほろ酔いの笑顔のお二人しか存じ上げていなかったのですが、Nさんは仕事が大好きで亡くなられる直前まで仕事をされてたそうです。そしてお酒の会にいけないからと、仲間が毎月お酒を持ち寄って自宅でお酒の会をしてくれはったと。徳のある人やったんやな。

もしホスピスに入っておられたら、もう少し長生きできたかもしれませんが、美味しいいお酒を飲みタバコも吸い、大事な友人と家族に囲まれて、そして最後の最後まで仕事をすることが出来て、きっと幸せな人生やったと思います。

機械設計の仕事を誇りをもってされていたので、亡くなられた後も、機械が動き続ける・・これから生まれる機械もあるというのが、なんとも・・・・・

金沢さんのお酒の会では珍しく、お寺でされ、これもIさんが天国から私を呼んでくれはったのかもしれません。

ほんまに交した言葉や共にすごした時間はわずかやのに、お酒というご縁でお出会いできたIさんの訃報に涙が溢れてしょうがありませんでした。嬉しいときもやけど、悲しいときにもお酒があります。そのお酒にしみじみ酔いしれた夜でした。

そんなご縁をつくってくださった金沢酒店さん、ありがとうございました。

そしてIさん、天国でも味のある声と大きなお体で、美味しいお酒を飲見交わしくださいや。
                                    
                                 合掌。