酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

吉田酒造さん

このごろ蔵元さんが続々ご来店。今日は吉田肇専務がほっと大仕事をされた安堵感の表情でご来店になりました。久しぶりやったので、いろいろ・・・・・・積もり積もった四方山話。

印象深かったこと。

今年は多くのお蔵で9号酵母が人気やったので・・・・・ところが、ここ竹生嶋は辛口純米のK-999酵母以外、すべて14号酵母やそうです。いつも上手に表現しはりますが、14号は女性的。で、9号は男性的。で、このところ皆さん9号に移行しておられますが、吉田さんとこは変わらぬ14号。女性らしく優しくやわらかい・・・・でも実は芯の強さを持っているという酵母杜氏さんが得意で、尚且つ好きなんやそうです。

さて、新酒をご持参・・・やはり14号酵母 花嵐 とびん取り。醗酵が思い通りに行かず、かなりかなり苦労されたお酒。飲んでみますと、いつもの花嵐とはかなり違います。鮎の塩焼きに合うというよりは、佃煮に合いそうな太口旨口。でも私はこの味好きです。ええお酒や。でもこれはちゃんとお客さんにお伝えせんとお客さんはびっくりされるかも。新しい花嵐の誕生です。もう一本はヨキトギ。待ちに待ったヨキトギ。瓶内発酵をしていて前回よりもかなりぴちぴちはじけています。美味しい!!

そういうと、暮れに小川酒店でフィーバーした竹生嶋辛口も、実はこれまたかなり苦労したお酒やったそうです。なので吉田専務さんはこれを飲むたびに苦労したときのことを思い出さはるんやて。そういうと蔵に朝市のお酒を選びに行って、はじめて辛口純米の火入れを持って来はったときの専務さんの表情も忘れられません。どういう反応か不安でどっきどきもんやったそうな・・・でもこの燗上がりは拍手喝采もんでした

思い通りに行かなかった時にこそチャンスが潜んでいるのかもしれへんな。

今滋賀のお蔵は情報交換をしつつ、ハード面ではかなり完成されてきています。これからはソフト面で・・・楽しみながら飲みかたやシチュエーションを提案していくときですねえ~とさすが、吉田さんらしい視野でこれからの近江の地酒を語ってはりました。ありがとうございました。これからも体にきいつけて美味しいお酒をよろしく願いします。