酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

ほのぼの屋

とあるご縁で、なんと舞鶴のフレンチレストラン ほのぼの屋に行ってまいりました。


 ここは精神障害の人たちの仕事場。一流シェフの料理、舞鶴湾を見下ろす小高い丘にある最高のロケーション、そして丁寧なサービスで予約は1か月先まで満杯の盛況。・・・今日はここを立ち上げから支えてきた支配人 西澤さんと店長 材木さんにご縁があり、お忙しい中ものすごええ話を聞かせていただきました。 
 
レストランでは皆ソムリエスタイルでお迎え・・・かっこええ。ジャージと違いますねん。お料理も大変美味しくボリュームもあり、サービスする人も礼儀正しく、タイミングも良く、誠実さが伝わってきます。 特に「精神障害者が働いている」ということを表立って掲げているわけではない(HPもしかり)のもええ感じ。

なぜレストランを?・・・・・まず障害者の人たちに夢や希望をたずねると「お店がしたい!」「レストランがしたい!」という声が圧倒的に多かったのでした。私たちも「誰もが入りやすく、障害者がお店とともに成長していける商売ができないか」という考えから、 障害者側から積極的に地域住民の方々に接することができるようにとレストランの開業を思いたち、立ち上げまで2年、そしてオープンして6年がたちました・・とのこと。

ここのすごいのは、普通立ち上げの時には(産みの苦しみはあっても)どきどきわくわくするエネルギーが満ち溢れているけれど、年月がたつに連れて、そのパワーがなくなったりマンネリ化したり・・・という例が多い中で、ここはますますすええ感じになっていること。

お金がすべてではないけれどやっぱりとても大事。普通作業所で働く利用者さんの賃金は3千円とか多くても1万円とか・・・で最初は5万円を目指してがんばろう!やったのがいまや12万円!それがまた励みにもなり仕事にもやる気が出てきて、自分自身も成長していける・・・とおっしゃいます。

西澤さんは作業所の一環の古本屋時代に、福祉の世界では欠如しがちな経営や商売の本も読みまくらはりまして、その方面にも長けてはります。またお好きなこともあり、いろんなところへ食べに行かれワインも200本は飲んだとおっしゃいます。きっとそんなお二人の起業家としての能力、そして人を集めるオーラ・熱い想いを持ったお人柄があったからこそ、初代シェフとして京都ロイヤルホテルの総料理長が遠い舞鶴まで来はったのやろな。

あんまり長くなるのでこの辺で終わりにしますが、とにかく酒屋としてもええ勉強させてもらいました。私もかつて福祉施設にいたので、町の酒屋のおばちゃんとしてええ形でかかわっていけたらいいな・・そんな事から今回の朝市ラベルも企画させていただきました。偽善ぶるわけでもなく、小さなことから始められる肩の力を抜いたノーマライゼーションが、ゆるりゆるりと続けられたら嬉しいな。
 
ほのぼの屋 舞鶴市大字大波小字滝ヶ浦202-56
電話 077-66-7711
定休日 水曜日 第1・3・5火曜日

尚宿泊できる施設 おーべるじゅ ど ぼのも隣接しています。