酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

よだかの星 貝の火

むすびし水のコンサートで演奏していただいたアンサンブルシャーラさんから、宮沢賢治 よだかの星の朗読を聞きながらの音楽会をします。障害を持っておられる方でも安心して参加できるコンサートなのでよかったら・・とチケットを送っていただきました。

なので、懐かしい人たちと行ってきました。フルートとピアノとオーボエの音色によだかの星のかなしくも美しいお話がなんとも調和していて、すばらしい音楽会でした。

で、そのあとご一緒した方が復刻版の本を送ってきてくれはったのです。

宮澤賢治動物童話集 貝の火
素敵な挿絵。懐かしい言葉に色や。

まへがき
わたくしたちは氷砂糖をほしいくらい持たないでも、きれいにすきとほつた風を食べ、桃いろの日光をのむことができます・・・・・・わたくしは、さういふ綺麗なたべものや着物がすきです・・・・・・わたくしはこれらの小さなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほつたほんたうのたべものになることを、どんなに願ふかわかりません。

賢治の物語は、風 雲 虹 星 団栗 鼠 鳥・・・・森羅万象が生き生きと語りあったり、交感しあったりします。地質学者でもある賢治はフィールドワークの人。野外を実際に歩き回っているうちに、自然との交感に至福をを見出し、時には我をも忘れて没入する人やったそうな。そして心の中から湧いてくるさまざまな感情や想念とその交錯を観察し、記録するという方法・・・・心象スケッチ・・・によって豊かなリズミカルな文章が生み出されていきました。(宮澤賢治の宇宙を参考にさせていただきました。)

大乗仏教徒でもあり、地質学者・農業人でもあり、また大の音楽好きでもあった賢治は深いなあ。岩手に一人旅をしたとき、イギリス海岸にたたずみ、ほんまにこの土地は河童や妖怪が出てきてもぜんぜん不思議やないなあと思ったのを今も鮮明に覚えています。山や川などの自然と人とその狭間の山男、風の精、山猫・・・・が仲良く同居しているような気がします。そしてその向こうには宇宙とか銀河系とか如来さんとかシャ-マニズムとか・・・・も垣間見えます。

今日は雨。雨の音とJAZZを聞きながら、この童話がようあいますねん。
お客さんもこの雨で来はりません。静かな時間が流れます。
実は鈍くさいことに本の表紙を載せてたら、優しい友人が指摘してくれはりました。そうか著作権侵害になるんや・・・・ふと閃いたのがこれ。うれしいうれしい頂き物の干瓢。このパッケージを見ていると宮澤賢治みたいや。ありがとうございましたSさん