酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

経験と勘

この最近 酒と醸しイベントのことばっかり ブログにかいてきましたんやけど 実はい~ろいろなイベントが秋は目白押し。

いろいろなもようしがありました。

あひるちゃんが 恒例年の近江の地酒の会をしはったので黒門市場の近くのマンボウさんへいってまいりました。

おいでになったお客さんが皆さんほんまに素敵な人で 持ち寄りの肴もお酒の知識もレベルがむっちゃ高く 素敵な時間が流れました。

そしてそして マック次郎さんから お燗のことでものすごく 刺激を受けました。やっぱり 次郎さんの手でお燗をつけると ほんまに不思議に美味しいのです。温度計はむしろ 不必要。きくと 神田の新八さんにやはったとある人が 次郎さんにとってもお燗の師匠で その人にお燗道をおそわらはったのです。

才能ではない 経験経験・・・・やそうです。

実はこの直前に アトリエ北国で カシミアの草木染をしてきたばっかりやったんや。

草木染めはサボテンに着く虫コチニールで カシミアを染めました。綺麗な紫にそまったのではありますが、雨がふっていて 気圧が低かったということで、あと10分のところで温度を急上昇させるべきところを しなかったがために 微妙に色もずれてしもうたんです。草木染では引き上げるタイミングと温度の上げ方が ピンポイントでとても大事なのです。そしてそれは 季節や温度や湿度にも 微妙に左右されるのでした。

先日の古株ちゃんのチーズの話・・・季節やエサによっても日々変化するミルクの状態。チーズに変化させた時、毎回同じ物が出来るわけがありません。チーズ作りは難しい。難しいからシンプルに。

とチーズも草木染もお酒もトリプルに シンクロしたのでした。

どれもこれも 自然のもん。おんなじわけにいかへん。
数字にふりまわされるのではなく きちんと向き合いながら経験を重ねることで 燗もとい 勘がとぎすまれていくのやろなあと。熟練の業は奥がふかいなあ。

そして酒と醸しイベントでは燗酒はふたりのプロの手により きらりと光っていました。


ある蔵元さんも「酒が大事といいながら 深い世界であまりわかっていなかったということを実感。新鮮な驚きとよろこびになりました。もっともっと勉強したい。日本酒の明るい未来を感じることが出来ました!」との ありがたい嬉しいお言葉。

思っていなかった 愛山や秋の詩がかなりの熱燗にも耐えうる 美味しさやったそうです。

河豚の卵巣の糠漬け
直さんの盛り合わせ、醤油麹のお漬物、うな肝

クリームチーズおかか和え・・・どれも燗酒に、特に程よく熟成した純米燗酒に合いました。とは次郎さんより。

このイベントがどんなふうに進化していこうとも お燗ブースは無くてはならないブースや。