酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

おじいちゃんは水のにおいがした

おじいちゃんは水のにおいがした ・・今森光彦さん著が、第56回小学館児童出版文化賞を受賞されました。で、この本の編集者松田さんにお会いする機会に恵まれました。

今森さんは言わずもがな、この松田さんもなんて素敵なパワフルな女性やこと。

もともと松田さんご自身造り酒屋の娘さんで、小さい頃から木桶や天秤搾りを見て育った方でして、お父さんの口癖が「水と気候だけはどこからも運んでこれへん、それだけ大事なもんなんや。」瀬戸内海に面していたため工場の排水などで水も悪化し、今年でいよいよ造りもすっかりやめることなったということで、今回の出版の話にはとりわけ水への想いが溢れ、情熱を持って関わる事ができたそうです。私も読みましたが、映像もすばらしかったけど、こうやって絵本にすることでまた深い世界が生まれます。

折りしもこの絵本の題材になっている針江は上原酒造のほんご近所。私も恥ずかしげもなく上原酒造の初しぼりとにごり原酒を持っていきながら、蔵に行く度に、まるで懐かしいふるさとのように迎えてくれる川端(かばた)の水のおいしさ・柿渋と木桶の話・天秤搾りの話を熱く語ってしまいましたわいな・・・そしたら松田さんもものすご頷きながら聞いてくれはりまして、うれしかったな

水の中には命が流れている・・三五郎さんの言うきれいな水とは、人間が飲む前にすべての生き物たちの水であるということ・・・本文より。つい先日の重曹教室とこの絵本と、不老泉のおいしいお酒が私のなかでしっかりと繋がりました。

人のご縁ってありがたいなあとまたまた思いました。