酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

不老泉 赤ラベル 参年熟成

ようやっと3月にはいって お店に並ぶことになった不老泉赤ラベル 参年熟成。

ひさしぶりぶりに績専務さんから 大丈夫ですかねえ・・・と電話あり。

どのお蔵さんもそうやとは思いますが、特に績さんは、ご自分のお蔵からでたお酒を心配しはります。ほんまに我子みたいに・・・で、これはちゃんと返事せな!真剣に利き酒大会。

ちょうと姉御がタイムリーに勉強のためにとさらに一年前の・・つまり2月まで切らしていた赤ラベルを小分けしてくれてはったので、それと比べてみました。

やっぱり一年のことで 熟成の深みはちょっとちごていて、飲み比べたら1年前はまさに通むき。そして新人さんはもっと間口が広くなった感じ。

ところがお燗をつけると やさしく豊かに膨らんだように感じたのは新人さんでした。

とはいえ、このところ 新酒か1年もんしか飲んでへんだ息子らに言わせると「何やこれ・・・
ぼくこれあかんわ・・・」歳を重ねたら、この良さがわかるようになるねんでえ~。

でもこれは飲み比べてこそ感じる微妙な違いでありまして、飲み比べへんだら全く遜色ないという結論となりました。むしろお燗は今並んでいるほうが美味しく感じられました。

この赤ラベルは 山根のおやっさんが、一所懸命心を込めて育てはったたかね錦をつかってじっくり参年熟成させたお酒。大分前、績さんが書かはった文を見っけ~今も新鮮・・

山廃独特の癖のある酸味と濃厚な味がすぐには受け入れて貰えなかったので育てて行くには相当な時間を要しました。当初は商品が溢れてしまい在庫の処理に困り果てた事も。が、酒質が強く長期熟成でも味が落ちるどころか独特の味をもたらしたことが幸いして、造りを休まずお酒を造り続け事が出来ました。そうして、やがてこのファンが徐々に集まりネットワークが広がっていきました。このネットワークは有難い事にとても強かったのです。

今いろんなお蔵が山廃を造り初めてはりますが、全くの酵母無添加はここだけ。いかに難しいか・・そして努力をしてきはったかかを今になってしみじみ・・・・なんでもゆっくりゆっくり時間をかけなな。