酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

有田 酒井田柿右衛門

人間国宝 酒井田柿右衛門さんがNHKBS2にでてはりました。
ふと見たつもりが、見ているうちにぐいぐい惹きこまれていきました。

柿右衛門さんの目指す絵付けは、手の動くままにいかにも楽しそうに描かれた絵。
理屈ではない・・こせこせしていない・・・のびのびと大らか。
ええ器は、石そのものが持っている素顔が見える。石そのものに出会える。
綺麗と美しいは違う。・・・もっとええこと言わはったんやけど忘れてしもうた

私はついついお酒と重ね合わせてしまうんやけど、お酒に置き換えても同じことが言えるように思えました。土というのはお米。絵付けはまさにお酒造り・・・お米が見える感じられるお酒。楽しそうにのびやかに造られたお酒。

このごろ あちらこちらで 技術が進歩した分、お酒が綺麗になってしまったとよう言われますが、綺麗なお酒と美しい=美味しいお酒の微妙な・・・でもとても大事な違いがそこにはあるような気がしてなりません。辻さんが先日感動しはった鶴齢は 完璧!非の打ち所のない素晴しさやけど 綺麗ではなく美味しいお酒やったそうです。温かみ・・・・・・・深み・・・やろか?

柿右衛門さんも言うてはりました。大きな芸術品ではなく、日常の器を作りたい。そして絵付けもそこいらに生えているねこじゃらしや 露草やそんなんを描きたいと・・・人間国宝さんと共感できてうれしい・・・私も一緒なんや。

小川酒店では今日から箱根うつぎが店の前に登場・・・山にもよう見かけるこの花木。ほとんど肥料も何にもやってへんのに、美しい。こんなうつぎみたいに、 自然の大いなる働きにゆったりと身をゆだねながら生まれた器やお酒や料理が、きっとほんまに美しい美味しいもんなんやろな。