アトリエ北国 草木染
絹の美しい着物やけど もう着られる事が無くなりアトリエにやってきました。
全部色を抜かずにあえて 部分だけ脱色して染めるとこんなふうに生まれ変わります。
これは丁寧に丁寧に絞られた絹。これも 藍をかけてよみがえります。
これは 正絹でもともとベージュやったんやけど その中に桃色の部分や 細かい刺繍が施されていたのです。
これらは アトリエの染の大御所 松坂さんの作品です。先生が面白いこと言わはった。染めてからやく一年。染めた時よりもより深い色になったんやてお酒と一緒や。造りがしっかりしていたら 時をへてより良くなるし 逆の場合 酸化=劣化で 悲しいことになります。
が、反対に染材によっては、茜や紅花なんぞはいくら完璧に染め上げても確実に時間と共に色あせてしまう いわば早飲みのお酒みたいなのもあります。けど そこに薄~~く 化学染料を施すことで 自然の色は生きてしかも色あせ難くなる。これも お酒のアル添と重なります。
木綿をここまできれいに染めるのは至難の技。さすが松阪さんでもさてこれを何に仕上げるのかが問題や。
私は 藍の重ね絞りをしました。
息子のアフリカ土産もちょっと柄を活かしながら藍色に。宝物にしますねん。
美術館に行くと 昔の素晴らしい布やらがありますが きっとものすごええもんやのに その子孫に興味がなかったらぼろ同然に捨てられたりしていることも仰山あるのやろなあ?アトリエ北国では 思い出が込められていたり また ものすご上等やけど箪笥の中で眠っているものを 工夫してよみがえらせてくれはります。
私はこんど 黒染の着物を持って行きます。お父ちゃんが無くなったときでさえ着物を着なかったので。きっとこれから先も着ることはないやろうし、なんかええもんに生まれ変わらせようとおもいます。
世の中もので満ち溢れてるけど ほんまもんはやっぱりええし。