酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

じ~ん

暮れにも来て頂き、うれしいメールを下さったお客さんAさんがご来店。

このAさんは結婚式のときに前の杜氏さんの花嵐と雪花を出さはったので、吉田酒造さんとは私よりもお付き合いが長い。そしておっしゃった。あの頃の花嵐はまさにものすごい花嵐という感じで存在感の塊みたいなイメージやったのが、数年を経て杜氏さんも代わり、おとなしく・・・でも完成された こんなに素晴らしい味になったんやなあ・・とご主人としみじみ語られたそう。

雪花は逆に前よりもしっかりした旨みの生きた味質になり、この斗瓶取りの味も最高でした!とのことです。

毎年の静岡での友人とのお花見にも必ずもって行くのが花嵐と雪花。いろんなお酒を飲みますがやっぱり日本酒・・・それも滋賀のお酒が美味しいです。美味しいお酒を飲むといろんな情景が浮かんで来るのです。滋賀に越してきて一番うれしかったのがこんなお酒にめぐり合えたこと(あひるちゃん見たいや)なんです。

私の日本酒の原点は吉田酒造で汲みたてのお酒を頂いたあの味で、そして花嵐なんです。

北島酒造のつきいっぱいは、80%という精米歩合でも、さすが山田錦 本当にお米の持ち味が生きていて美味しい。父が懐かしい味やと大喜びで召し上がられたそうです。例えるならお地蔵さん なんやて~。

上原酒造不老泉の雄町はご主人の実家が岡山なので思いいれもありますが、こんなにキレの良い雄町を飲んだのは初めて。おとなしいんやけどまるで緑青のように・・・ラベルの如く藍甕のように・・職人を思わせる深い味わいのお酒でした。

薀蓄云々とは全く反対のところで、ぽつりぽつりと語るようにおっしゃるAさんと話していたら、私は不覚にも何度か泣きそうになってしまいました。お酒そのものも大事やけど、私たちはその周りの文化や思い出やいろんなもの全部を売らせていただいているんやなあ・・・・

Aさんのご来店で、私はますますお酒屋さんしててよかったなあって心から思いました。