酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

信頼ということ

上原酒造さんの日記を見ていると、熱くなることがよくある。

同じく朝仕事の時、山廃酒母を見てひとりでにやついてました。湧いてきました。あれだけまめに面倒を見てやったんだから、そろそろ湧いてほしいのに湧きそうに無いから不安に思ったり、まだ日があるからもう少しの辛抱と思ったり、ひやひやもんでしたけど、結果的には理想的な日に湧いてきたんで、ホント嬉しかったですね。ホント言うと万歳して喜びたかったんですが、すぐ近くでみんな仕事しているんで、見られたらカッコ悪いんで、背中向けてニヤニヤしてまして・・・・。
・・・・先はまだまだ長いです。山廃の酒母は立ててからが大変ですから。一番気をつかうのが温度を徐々に上げていくことでしょうか。焦らず、急がず、慌てず、よく考えて、そしてまめに、毎日顔と香りをしっかりとみてやって、そしてうまくいかなかったときのことをよく頭に入れてかかってやらないと大変なことになりますんでね。
 確か去年は、明け方思いっきり寒い蔵の中で、上手く湧いてくれた!と一人でポーズをしはったのも、その日記を見てうるっと来たのでよく覚えてる。

ほんまにまるで子供を育てるみたいに一生懸命時にはなだめすかしたりひやひやしたり・・・専務の績さんは造りにかなりの部分で関わってはるのでほぼ毎日のこの日記を見ていると、お酒つくりのことがとてもよくわかる。痛々しいことも涙ぐましい努力も・・・。そんなことを思うとパソコンがあってよかったなあって思う。
でもやっぱり生は違う。生の匂い空気に勝るものは無い。ので迷惑とは思いながら姉御やあひるちゃんと蔵に伺う。でもさらにさらに我酔醸のあひるちゃんは、モト立てから仕込み、搾りまで、ひとつのモトを追っかけて、時間を実感したいと思わはった今HPでその様子が細かく写真と共にアップされている。でも思うんや。必死の蔵仕事の中に入れてもらえるということは稀有なこと。きっと、このようなことは上原酒造さんとの信頼関係無しには絶対成り立たなかったやろな。私はそのことにも深い感慨を覚え、お二人に出会えたことにもなんかほんまにほんまにラッキ-やったなあって思ったんや。すんばらしい作り手とすんばらしい消費者。私もすんばらしい売り手にならんと申し訳ないな・・・・