酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

反抗期

先日うかがったときに話した中で興味深かったのが、お酒の反抗期。

長期熟成型のワインにも反抗期があっていつ起こるかはわからないのですが、味が暴れるということがあるそうです。それは起らないかもしれないし、何回か起こることもあるし、また短期間かもしれないし、長期に及ぶこともあるし・・・・と、まるで人間さながら。

で、日本酒にもやっぱりあるそうなんです。せっかくええ按配に熟成してきたのに味が戻るというか、なんかあれ・・・と思うような味になってしまっていることがありますが、これがその反抗期のようです。また、火入れ後にもそれが結構よく見られるようです。

で、そういう時はじっと待つ・・・そうするとちゃんと戻るというか、人間で言うと悩んだり落ち込んだりしたぶん懐が大きくなって、より深いええお酒になるっちゅう話です。
ええ話や

でもその為には、しっかりお米を蒸して、きちんと発酵をしきって、そして米の味がちゃんと活きたお酒であることが大事なんやそうです。そうでないともう立ち上がることなく、堕落の道を辿るのです。反抗期になった時、燗した時に化けの皮が剥がれるんやな。

人間もしかり。友人が故郷の家族は私の根っこですと言いました。苦しい時辛い時を乗り切るために、だいじな家族や友人や幼いときの原風景や草や木や花や・・・そんなんが目に見えないところで支えてくれるのやな。