酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

浅茅生の蒸し風景

平井商店さんに 無理を言いまして「けっして邪魔しませんので、今年も生の造り風景を 見せていただきたい」と・・・・

快く 承諾していただきまして 日曜日の朝 伺いました。


甑から湯気がまるでマジックショーみたいに吹き上がっていまして 懐かしいお米のような なんともええ匂いがしています。沸騰するまで50分 そしてそのあと20分。合計1時間強をかけて お米を蒸揚げます。

これは麹の酵素が米のデンプンを分解しやすくさせるため また 後に出会うべき麹菌が入りこみやすいように柔らかくする働き、そして難しいけどアルファ化するなどの目的。

蒸し終ると 甑に敷き詰められた蒸米をスコップで取出し 粗熱をとり蒸気を飛ばす放令という作業になります。


この日はあったかかったので 放冷にも難儀してはったようです。

大手さんでは放冷機という優れものがあるのですが ここは手仕事。
勘を働かせながら 均一にほぐしていかはります。

今回は 仰木の山田錦。小仕込みの 純米吟醸の 留め※。そして 一部が大吟醸のもとになるべく 室に運ばれていきます。

日本酒は3段仕込みといいまして 酒の母となるべくもとからもろみを段々増殖していくのですが、まず初添 そして仲添 そして最後3回目が 留添と 酵母や乳酸が疲れへんよう ゆとりを持って働いてもらうために 徐々3回に分けて増やしていくと言う 心遣いのある仕込みなのであります。初添のあとには なんと踊りといいまして 中に休息日までありまして。そして 今回の蒸米はその仕上げの留添です。この蒸米と水と麹をタンクの中によいしょと入れはります。


これは 留添して 一日たったもろみさん。

まだまだ米粒が残っている状態です。

これから アルコールがどんどんもろみをたべて 醗酵していきます。

貴重な現場を見せていただき ありがとうございました!

今回 料飲店さんやちびっこもご一緒。

生の現場をどんなふうに感じてくれはったかな??

お酒って すごいなあとおもてくれはったら嬉しいな。