故姉御の知人が出した本を、姉御にはほんまにお世話になっているので買うたんやけど、なんか読まずじまいになっていました。
が読書に目覚めた私、家にある本をどんどん読んでいまして、ついに開きました。
そしたら、ええ本や。
父親の死をきっかけに、迷い込んだトンネル。そして彷徨う中で、親のぬくもりや絆に気づくお話。
父を思い出して、あまりにも重なって涙が溢れました。
年も同じ昭和一桁。
特に趣味もなく、働くことがとにかく大好きやったとこも。
一升瓶をコップ酒で飲むのが楽しみやったとこも。父は鬼殺しやったけど。
若いころはよう肥えてて、晩年はすっかり痩せたのも。
父母、お互いが大好きやったところも一緒に商売していたので喧嘩もいっぱいしてたけど。
孫をそれはそれは可愛がってくれたとことも皆一緒。
母の誕生日にケーキを買いに行った父、お名前はと聞かれて、孟(おさむ)と。
なので母の誕生日やのに、ケーキには孟さんお誕生日おめでとうと書かれていて、それを聞いた姉御がお腹を抱えて笑てくれはった。
地酒については意見が全く合わへんだけど、今思い出すとほんまに掃除好きやった。几帳面で在庫も「正」と紙に書きながら、毎日倉庫と店を行き来してはった。
ラベルがちょっとでも正面に来てなかったら必ず直してはった。
お酒を飲むときの嬉しそうな顔!おっとが初めて挨拶に来た時、その飲みっぷりに唖然としてはった。
今思うとほんまにええお父ちゃんやったとしみじみ。ええ本に出合えました。