隠居すごろく
Nさんからお借りした西條奈加さんの小説。
昨日読み終えました。むちゃくちゃ面白い!!
癇癪もち、趣味無で仕事一筋、けちで頑固、そんな徳兵衛が隠居!
それまでの人生が、すごろくで言うなら上がり…
二枚目のすごろくが始まったのでした。
またまた亡くなったお父ちゃんも思い出しました。
年を取って、趣味をと無理やりウクレレやゴルフを習たんやけど、どれも気性に合わずダウンしてはった。一生商売のことばっかり考えてはったお父ちゃん。
が、徳兵衛はんの二枚目のすごろくは、感動もん。
嶋屋という商売、夫婦、親子、友人、お客さん、問屋さんと共に人間関係が出来上がっていって、価値観や人相までどんどん変わっていく徳兵衛はん。幾度涙腺が緩んだことか。特に最後の長男 吉郎兵衛とのやり取りは嗚咽してしまった。
おじいさま商売って面白い?の問いに、ああ千代太、商売ほど面白いものはないぞと徳兵衛。ええなあ。
商いには金銭ばかりでなく、情、恩、義理もからんできます。
慮り(おもんばかり)なくしては商談も成立しない。慮りとは自分とは相容れぬ感情を受け入れて理解に努めること。
徳兵衛はふと己が楽しんでいることに気づいた。手ごたえのある相手とせめぎ合いを続けながらの交渉は心浮き立つものがある。
なるほど。私までわくわくしてきました。
Nさん、読書の楽しみを教えていただき、本当にありがとうございます。次も楽しみです。