酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

迷い水

昨日のお酒・・・・

利いてもらいたい人に利いて貰いたくて、数人にちっちゃい瓶に移して試飲してもらいました。賛否両論。ほんまに嗜好品やとつくづく思います。キレ・味ののり・香り・酸・温度があがった時にどんな表情を見せるか・・・・

ある人は亀の尾のひやおろしにいたく感動してくださって、日本酒に戻ったとおっしゃっていたのに、こんな体験をしたので、絶対お薦めやと思っていたある人には甘くてだめだったとか・・・いろいろ。

大治郎の純米吟醸やないですが、ほんに迷い水の世界です。

辻一の辻さんもご来店。居酒屋をしていて自分はこうやと思っていても全く違う反応が返ってくることもしばしばあって、日々がありゃあ・・・という感じなんだそうですが、なんか酒屋としても同感です。

ここだけの話(でもないか)、辻さんはいろんなところ・・私が知っているだけで7件くらい・・でお酒を買わはります。なので情報の宝庫。お酒やさんの人となり、お酒の個性、そして値段設定まで・・一生懸命なだけにほんまによう知ってはります。それに可愛がられるお人柄なので、7件をまたにかけていても全然ええ感じなのです。偏ってないしものすごい素直。


私もお酒のこと・ワインのこといろいろ教えていただいてまた一人大事な人が増えましてそんなこんなで歳も暮れていきます。

新酒についても思うことあり。フレッシュなお酒ももちろん美味しいけど、こなれてまろやかになったお酒もまたたまらない美味しさ。お正月にお薦めのお酒をと聞かれたときにはどちらにしようかほんまに迷います。新しい歳に新鮮な出来立ての新酒も良いし・・・・でも時間と共に刻まれた深い感動も味わって欲しい・・・いつまでたっても迷い水。でもそんな迷いもいとたのしおかし。

今日も暮れまでに是非お会いしたかったお酒のお客さんにはるばるご来店いただき、ありがとうございました。ああ・・楽しい一日やった。ぐっすり寝られそうや。