酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

虫明焼

備前焼に行った際、せっかくここまで来たんやしということで 立ち寄った虫明焼。

これは およそ300年くらい前から 岡山藩の筆頭長老さん伊木家の領地、お庭焼として生れ、14代伊木忠澄(号:三猿斎)という大茶人のもと、茶陶窯として新たに生まれたのであります。

ちゅうことは茶陶・・・・・なので お値段がむっちゃ高い!

いろいろな窯元にうかがいましたが、とにかく茶陶の窯は 目が飛び出ます。ものによりましたはゼロが3つくらい多いのもありまして。ここは、目のお正月だけさせてもらいましょと。

ところが 妙に日本酒がおいしそうに飲めそうな酒器にであいまして しかもこれは優しいお値段やったので購入。

そしたら ええやん・・・・口当たりもとてもええ。

虫明焼では、主に地元の山土が主体。粘りとコシがあって火色が良くでるよう土造りには相当気合をいれてはるそう。 薄作りで淡性な京風のひなびた風情のある器。



釉薬は透明釉で天然松灰。おとなしい青、赤、黄色。
ここは 他の産地のように 酸化(有酸素状態)・還元(無酸素状態)と完全に焼成方法を分けずに、両方が融合した、いわゆる窯変(ようへん)を狙った虫明独自の焚き方をしているので、松木の焚き方や煉らし方がものをいうそうな。なので ようくみると透明でおとなしい青、赤、黄色やけど一つの釉薬やのに色んな複雑な色味がでています。

色も形もほんまに地味やけど ええ器や。

なんでやろ?写真によって色がえらい違いますが、ほんまの色はどっちでもないんですわ。そやけど ええ色。

使うほどにええので 毎日これを使わせてもろてます。

今宵は不老泉~~~~初しぼり~~~~旨い~~~