酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

亀亀覇 凛

このところ 隠れた人気を博していた凛 いよいよ最後となりました。

素晴らしい深い味わい。


亀亀覇 凛
「この亀は亀に覇をなす美禄かな」

酒づくりは酒米の栽培から始まるといっても過言ではありません
「亀亀覇」誕生の物語は幻の酒米と言われていた「亀の尾」の栽培から始まります
大正期 東北地方の代表品種でしたが稲丈が160cmにもなり栽培がしにくく姿を消していましたが、旨い酒を求め続ける人々との出会いがあり秋田県において種籾から栽培 酒を仕込めるまでになりました

丹精こめた亀の尾は愛好家の手で刈り取られ太陽の光と自然の風で乾燥されます
精米歩合は55% 杜氏自ら2昼夜かけ精米され麹も2時間おきに手入れをします

18年に及ぶ長い時の熟成期間には、お酒にも成長過程があり
一時は亀亀覇の付けるのも躊躇われた過程もあったようでが
試練のときを乗り越え俄然 亀の尾の深い味わいを極めました

深く語り合うようにお飲みいただければ幸いです。

解脱
七年、八年・・・十年と熟成を重ねていく過程で滓(おり)が出始め下がる現象が二度、三度と繰り返されます。滓が下がることで今までの老香も減少し、渋皮がとれ雲間から太陽が顔を出すように突然素晴らしい香り・味に変化する時が訪れます。人知ではなしえない熟成の妙を是非・・

次の亀亀覇からは 吉となりまして これは一挙に若返り 26BYとなります。

味わい深い世界やなあ。