酒屋日記 

小川酒店@滋賀浜大津、京阪電車沿いの酒屋のつぶやき

試験酵母 秘話 前編

いよいよ 不老泉の浜大津こだわり朝市が近づいてきまして お酒が届きました。

横坂さんにかわって二造り目。

特に昨年は 杜氏が変わったということで 社長の績さんもほんまにほんまに 胃のいたい日々やったと思いますが「杜氏が変わっても不老泉は不老泉」「杜氏が変わってもブレてない」と ええ評価を頂いてはるようで 不老泉大好きの私としても ほっとしているところです。

呑みきりでも大きく評価の別れた 試験酵母のお酒はなんと18年以上も前に出来た酵母なのやそうです。

ある年の山廃のもろみで、とりわけええ香りがありまして、もろみ経過もすごく穏やかな経過でしぼってみたらやはり違う。うまい!!これは酵母を分離せなと思い、今はもうない日本発酵機構余呉研究所の岡田研究員におねがいして-40度!で冷凍保存していたのでした。

ところが山根のおやっさんはあんまりこの酵母に興味が無かったので しばらくは放ってあったのです。が ある年使ってみよっと思い なんとおやっさんには7号と嘘をついて使わはったのです!!

普通すぎるくらい ごくごく普通の醗酵をしていたもろみちゃん が、そろそろもろみの終盤に差し掛かろうかといったところで、いったん発酵が弱まり 搾ろうかと思ったその翌日に急に元気に発酵し出して、今度は低温においてもどんどん切れる切れるで搾った時には日本酒度+12!!

とうとうおやっさんに「本当に7号培養したんか??」と疑われはじめ、「前にこんなこともありましたやん」とか言って大汗かきかきの績さん。

味はやっぱりなめらかでうまくて、この酵母は違うなと実感。でも、あの香りはなかったそうです。で これは 出してもよかったんやけど おやっさんには嘘をつきとおしたので 今更言えず やむなくブレンド。績さんの心の引き出しにそうっとしまわはったのです。

冷や汗もかきたくないし 相当大変やったんやろなあと 績さんの顔を想像 一旦封印。

あれから年月を経て こんどは嘘をつかずに 横坂さんに話をして 再びリベンジ。と 長いので 一旦お終い。明日続きを~~~~